気になる費用の計上~水道光熱費について

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

勘定科目が資産・負債・純資産・収益・費用の
5つのグループに分類されることはすでにお話したとおりです。

今回からは、気になる「費用」について、
実務上のポイントを押さえていきたいと思います。

「費用の増加は借方に、費用の減少は貸方に記入する」
覚えていますか?
実際には、特別な場合を除き費用は減少よりも、
増加つまり借方に記入する場合がほとんどです。

もちろんパソコンの会計ソフトを利用する場合は、
自動的に入力されるので頭の片隅にでも覚えておいてください。

今回は、水道光熱費についてみていきましょう。
「水道光熱費」は費用の増加、つまり借方に記入します。
相手科目である貸方は、現金で支払った場合は「現金」
口座振替にしている場合は「普通預金」となります。
貸方は資産の減少ということになります。

事業のために消費した水道料金、電気料金、ガス料金のほか
燃料費としての灯油なども「水道光熱費」となります。

灯油のように直接購入するものは、
その時点で記帳(経費に計上)することになりますが、
水道、電気、ガスのようにメーターの検針後、
後日支払いをするものについては
支払をした時点で記帳(経費に計上)します。

ただし、決算月については、翌年度に支払うことになりますので、
今年度の未払費用として計上することになります。

ところで、住宅兼用の事務所や店舗の場合、
水道光熱費はどうなるのでしょう?
あたり前ですが全額を経費として落とすことはできません。

住宅兼用事務所の場合、
住宅で利用した費用を差し引いたものだけが必要経費となります。
水道料や電気料などメーターで計算するものは、
どの程度を住宅用費用とするかについては、
面積比や使用時間などにより考えられる基準によって決まります。

なお、費用の割振り計算と記帳は、
その都度行うほか、月ごと、あるいは年末に一括して
行ってもさしつかえはありません。

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