著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治
「決算書」とは、
会社の利害関係者(株主・債権者・税務署など)に対して
内容を明らかにする報告書であるとも言えます。
経営成績が表示されている「損益計算書」と
財政状態が表示されている「貸借対照表」、
これらふたつを総称して「財務諸表」とも言います。
ところで、いったい決算書はなぜ必要なのでしょうか?
まず第一に、法人税や消費税の計算は、
決算書の内容をもとにして作成された「申告書」によって
行われるのです。
税務申告の際には、
決算書、申告書の両方を税務署に提出しなければなりません。
また決算書と申告書は、
金融機関などに借り入れの申し込みをする際には、
必ず提出を求められるものです。
特に決算書は、お金を貸す側からみれば、
返済能力を判断する基準になる重要なものです。
したがって、
「信頼性の高い決算書=会社の信頼度が高い」ということになり、
借入れの承認もうけやすくなるというわけです。
そして第二に、会社の営業活動で稼いだ利益を、
出資してくれた株主の配当金として還元したり、
働いている役員に対しての賞与を支給するための根拠になるのが
決算書に計上されている利益なのです。
他にも新しい取引先と商売を始める場合や、
資本金を増やすための出資者を募る場合、
財務内容や会社の業績のわかる資料の提示を求められることもあります。
以上のように決算書は会社にとって重要な書類であり、
その基礎となる日々の取引を記録する経理の仕事は
とても大切だといえると思います。
では、決算はいつ行えばよいのでしょうか?
決算の種類には「月次決算」「中間決算」「年度末決算」がありあす。
経営活動をより正確に把握したいときは、
月単位の損益の状況がわかる月次決算を行います。
株主に対して経営状態を知らせたり、
税金の中間申告をする場合には、
会計期間の途中で中間決算を3ヶ月ごとや6ヶ月ごとに行います。
そして、税金の確定申告や株主総会の決議を受けるため、
会計期間の終了時点(事業年度末)で本決算を行います。
パソコン会計の場合の決算書は、
決算整理後の試算表から貸借対照表・損益計算書に連動されます。
決算処理がすべて終了したら、
パソコンに入力されている当期のデータを印刷して保存する必要があります。
保存義務が定められていますので必ず印刷して保存することが重要です。