忘れてはならない地代家賃について

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

気になる「経費」のうち、29
事業を構える上で忘れてはならない「地代家賃」について
取り上げてみたいと思います。

店舗や工場、資材置き場などの敷地を借りたときの「地代」や
事務所や店舗などの建物や部屋を借りたときの「家賃」が
「地代家賃」となります。

ここで気をつけなければならないことは、
不動産の賃借には、多くの場合、
敷金や権利金といった付随する出費がありますが
純粋に賃借料以外は地代家賃に含まれません

たとえば、
1.店舗の翌月分の賃借料を支払った場合
→ 地代家賃は前払いにするのが一般的なので、
通常は前払費用の形式になります。
しかし同年度の必要経費になるなら、
支払日に地代家賃として計上してもかまいません。

2.期をまたいで6か分の駐車場の賃借料を支払った場合
→ 期をまたいで支払った場合、
月割りにして地代家賃と前払費用に計上する
というのが本来のやり方ですが、
1年以内の期間分の支払いであり
今後も継続して支払うものであれば、
一括して地代家賃に計上してもかまいません。

それでは、生計を同じくする親や兄弟などの
名義のものを借りている場合はどうでしょうか?

この場合、残念ながら
賃借料を支払っても必要経費とは認められません。
ただし、その土地や建物から発生する固定資産税などは
賃借料の有無に関係なく
事業主の必要経費に計上することができます。

しかし生計を別にする親族であれば、
一般のケースと同じく、賃借料は必要経費に算入されます。

それでは、土地や建物の権利金などの支出はどうでしょうか?

土地を借りる際にかかった権利金などは、
土地の場合は借地権として無形固定資産となります。
一方、建物の場合には繰延資産となり、
賃貸時に支払う礼金などは、
支払った月から通常5年間(または建物の賃借期間)で償却し、
必要経費に計上できます。

保証金、敷金のようにいつか返還される性質のものは、
無形固定資産の扱いになります。

「資産」の扱いについては後日詳しく述べたいと思います。

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