損害保険料って何だろう

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

会社に保険?と思われる方もいるかもしれませんが、
火災などの偶発事故にあえば経済的に損失を受けます。
万一の災難から事業を守るためにかける保険が損害保険です。
「損害保険料」は必要経費にすることができます。

資産や商品にかける火災保険料、
営業用車両にかける自動車保険料のほか、
商品の盗難に備えた盗難保険料、
海上保険料なども含まれます。
また同種の共同組合共済の掛け金も含まれます。

なお、災難における保険料でも、
事業主が負担する従業員の労災保険は福利厚生費となります。

例えば、
発送する商品に運送保険をかけ、保険料を支払った
→ 商品や固定資産を購入する際にかかった保険料は、
購入価額に算入しますが、
商品を発送する際に負担する保険料は、
費用として損害保険料科目で計上します。

店舗の火災保険料を1年分支払った
→ 保険の契約期間が1年以内の時には、
年度の途中であっても、
支払保険料の全額をその年の必要経費にして構いません。

但し、この方法を取った場合には、
本年度以降も契約期間1年以内の保険について、
同じ会計処理を継続することが条件となります。

気を付けなければならないのは、長期契約の保険料の扱い方です。
1年以上の保険契約の損害保険料を支払った場合、
月割りにして本年度分の保険に該当する保険料だけが経費となります。
残りは「前払い費用」として計上します。

保険の契約期間が3年以上で、
保険期間満了後に満期返戻金が支払われる損害保険料については、
支払った保険料の額から積立保険料に相当する部分を
必要経費から外さなければなりません。
この部分は「保険積立金」として資産計上します。

保険を上手に活用して、万一に備えてもらえたらと思っています。

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気になる修繕費のポイント

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

「修繕費」というとなんとなくどんなものか想像できるでしょう。2014-7月①修繕費
ここでは、そのポイントについて見ていきたいと思います。

店舗や自動車などの固定資産は、
時が経つにつれ本来の有効性、生産性が損われたり、
故障、破損、摩耗などによってダメージを受けます。

その固定資産を修理、補修、改良して
できるだけもとの状態に回復させるための費用が「修繕費」です。

修繕費になる費用には、
建物や店舗の壁面の塗り替え、床や屋根の補修、
窓ガラスの修理費用などです。
また、自動車のタイヤ交換、点検整備の費用も含まれます。

その他、OA機器の保守管理の費用、機械装置のオーバーホール費用など
固定資産の価値を保つためにかける維持管理の費用も修繕費になります。

例えば、
店舗のドアを交換した費用を支払った
→ ドアは固定資産である店舗の一部ですから、
新品に取り換えても修繕費として計上します。

機械装置の修理をして、費用を支払った
→ 同様の修理はこれまでにも2,3年ごとに行っているならば、
金額が多くても短期の定期修理は修繕費に含まれます。

修繕費で気を付けなくてはならないのは、
修理や改良によって固定資産の資産価値が高まったり、
使用可能期間(対応年数)が延長するケースが出てくることです。

その場合には、費用の全額をその年の修繕費に計上できるとは限りません。

修理や改良をすることによって固定資産の価値が増加したり、
使用可能期間が延長することになれば、
その費用は単純な経費ではなく、
その資産を取得した金額に加算される新たな「資本的支出」とみなされ、
加算分については減価償却の対象として年々経費にすることになります。

しかし、実際のところいくら価値が増加したかの判断は
かなりむずかしいものとなります。
一般には以下のような基準によって修繕費と資本的支出を区分します。

修繕、改良などの支出金額が、
資本的支出の有無を問わず20万円未満か?
ほぼ3年以内の周期的な費用か?
前年末取得価額の10%以下か?
イエスなら修繕費とみなして構いません。

支出額の30%と前年末取得価額の10%のいずれか少ない金額が修繕費で、
その他は資本的支出となります。

おわかりいただけましたでしょうか?

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