著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治
気になる「費用」のポイントについて、
少しでもおわかりいただけたでしょうか?
今回は事業を進めるうえでは欠かせない
「給与賃金」についてお話ししよう思います。
その前に「給料」と「給与」は違うのでしょうか?
一見同じようにもみえますが、実は違うことを知っておいてください。
「給料」とは、
基本給(月給、日給、時間給など)のことをいいます。
一方「給与」とは、
基本給の他、賞与、残業手当や家族手当などの諸手当も含みます。
もちろん現物給与として、
一定額以上の通勤費、規定外の厚生費なども含みます。
つまり給与とは会社から支払われたすべての報酬と考えてください。
またいわゆる現物支給といわれるもの、
会社の自社製品や優秀者に与えられた記念品も給与となり、
所得税の課税対象となります。
例えば従業員のSさんに今月分の給料を支払った場合、
基本給に諸手当や現物給与を加算した金額が
今月の給与となることはもちろんです。
しかし実際に支払う額は、
本人が負担する社会保険料や源泉所得税を差し引いた額となります。
差し引いた分は預り金として計上し、あとで税務署などに納めます。
賞与やアルバイト料も給与に準じて処理しますが、
それぞれ社会保険料や源泉所得税の算出基準が異なってきますので
注意してください。
ここで覚えておいて欲しいのは、
同じ給料でも事業主や青色事業専従者にした人の給料は含まれず、
別科目にするということです。
生計を同じくする家族を従業員とした場合、
「青色事業専従者」として税務署に届け出をすれば、
支給する給料や賞与が必要経費となります。
経費の科目ではこれらは、
一般の従業員の給料賃金とは別の項目になります。
なお源泉所得税は一般の従業員と同様に算出し、
税務署に納めなければなりません。
従業員に支払うのが給料賃金、
事業に従事する親族に払うのが青色事業専従者給与と
覚えておいてください。
青色事業専従者給与については、次回に説明したいと思います。