気になる給料賃金と青色事業専従者給与とは?~その1

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

気になる「費用」のポイントについて、2014-5-2
少しでもおわかりいただけたでしょうか?
今回は事業を進めるうえでは欠かせない
給与賃金」についてお話ししよう思います。

その前に「給料」と「給与」は違うのでしょうか?
一見同じようにもみえますが、実は違うことを知っておいてください。
「給料」とは、
基本給(月給、日給、時間給など)のことをいいます。

一方「給与」とは、
基本給の他、賞与、残業手当や家族手当などの諸手当も含みます。
もちろん現物給与として、
一定額以上の通勤費、規定外の厚生費なども含みます。

つまり給与とは会社から支払われたすべての報酬と考えてください。
またいわゆる現物支給といわれるもの、
会社の自社製品や優秀者に与えられた記念品も給与となり、
所得税の課税対象となります。

例えば従業員のSさんに今月分の給料を支払った場合、
基本給に諸手当や現物給与を加算した金額が
今月の給与となることはもちろんです。

しかし実際に支払う額は、
本人が負担する社会保険料や源泉所得税を差し引いた額となります。

差し引いた分は預り金として計上し、あとで税務署などに納めます。

賞与やアルバイト料も給与に準じて処理しますが、
それぞれ社会保険料や源泉所得税の算出基準が異なってきますので
注意してください。

ここで覚えておいて欲しいのは、
同じ給料でも事業主や青色事業専従者にした人の給料は含まれず、
別科目にするということです。

生計を同じくする家族を従業員とした場合、
「青色事業専従者」として税務署に届け出をすれば、
支給する給料や賞与が必要経費となります。

経費の科目ではこれらは、
一般の従業員の給料賃金とは別の項目になります。

なお源泉所得税は一般の従業員と同様に算出し、
税務署に納めなければなりません。

従業員に支払うのが給料賃金
事業に従事する親族に払うのが青色事業専従者給与
覚えておいてください。
青色事業専従者給与については、次回に説明したいと思います。

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ご存知?荷造運賃について

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

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商品の販売に欠かせない荷造りや運送の「費用」が2014-5-1
「荷造運賃」ということはおわかりの方も多いでしょう。
ここにもちょっとしたポイントがあります。

商品や製品はそのままお客様へ手渡せばよいこともありますが、
新たに包装したり、厳重な荷造りが求められることもあります。
場合によっては、
輸送手段を用いて相手先に送ることもあるでしょう。

こういったことにかかった費用を「荷造運賃」といいます。

具体的には、郵送による小包料金や宅配便の料金、
荷造り包装のための段ボール箱や包装紙などの他、
荷造りのために外部の人に支払った手間賃(人件費)
交通費や郵送料なども含まれます。

これとは別に消耗品費、旅費交通費、通信費などの経費科目があり、
どの科目に含めるか判断に迷うかもしれませんが、
商品や製品の販売に直接かかわる費用を
荷造運賃として計上すると考えてください。

たとえば、
1.商品送付用の発砲スチロールの容器を購入した。
→目的が商品の送付ですから荷造運賃になります。

2.商品を宅配便で送り料金を支払った。
→商品の送料はもちろん荷造運賃となります。

荷造運賃となる費用には、
鉄道、自動車、航空機などの運賃、
郵送による小包料金、宅配便の料金などの他、
段ボール箱、ポリ袋、包装紙、発砲スチロール、
ひも、テープ、荷札など荷造りにかかる費用も含みます。

ただし、一般小売店で商品を入れて渡すポリ袋などは
消耗品費にした方が良いでしょう。

ここで注意して欲しいのは、
商品の仕入れや原材料を購入する際にかかる荷造包装費・運賃は、
商品や原材料の取得代金に含めるということです。
また固定資産の引取運賃も、固定資産取得額の一部とみなします。
荷造運賃には、商品や製品の販売において
要した費用のみを計上します。

なお商品などを本店から営業所へ移管する費用なども
商品などの取得代金に加算するのが原則です。
ただし、費用が少額(購入代金の3%以内)であれば、
経費として荷造運賃に計上してもよいことになっています。

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