著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治
前回のおさらいになりますが、
減価償却費を計算するにはまず「取得金額」を出し、
減価償却資産の耐用年数表により求めた「耐用年数」と
耐用年数から割り出した「償却率」(定額法または定率法)
に基づいて計算します。
では中古の資産についてはどうでしょう?
たとえば中古の車などを購入した場合、
減価償却できるのでしょうか?
もちろん、新品と同じというわけにはいきません。
対応年数表は新品の資産を対象にしていますが、
中古資産を取得した場合には、
それに見合った耐用年数を定めることで
減価償却費として算入できるのです。
それでは中古の資産の対応年数はどうなっているのでしょう?
次のふたとおりの場合が考えられます。
その1
取得時点で法定耐用年数の全部を経過した資産については、
「法定耐用年数 × 20% = 中古資産の耐用年数」
となります。
その2
法定耐用年数の一部を経過した資産の場合には、
(法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 × 20%)
= 中古資産の耐用年数
となります。
ただし2年未満の場合は2年とし、
それ以上の期間の1年未満の端数は切り捨てとします。
なお、減価償却の方法には
「定額法」と「定率法」があるとお話しましたが、
定率法を選択する場合には、
あらかじめ税務署に届け出ておくことが必要です。
定額法とは、
毎年の償却費が同額となるように償却していく方法で、
取得価格 × 対応年数に応じた償却率 = (1年分の)減価償却費
となります。
(2007年3月以前取得資産については
取得価額に0.9を掛けた金額で計算します)
定率法とは、
最初の年度により多く償却し、年度ごとに少なくしていく方法で、
(取得価額 - 前年までに減価償却した累計額)
× 対応年数に応じた償却率 = (1年分の)減価償却費
となります。
2007年3月以前の取得資産には旧償却率が適用され、
2007年4月以降の取得資産には新償却率が適用されます。
新定率法による償却額の計算には
ほかに保証率による調整が必要になります。
また定率法の償却率は定額法のそれの2.5倍相当率となっており、
2011年4月以降の取得資産については2倍となります。