著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治
誰でも一度は耳にしたことのある「租税公課」
しかしわかっているようでわかっていないのが
租税公課ではないでしょうか?
租税とは、国や地方自治体に納める国税と地方税のことで、
公課とは、それ以外の公的な金銭負担のことです。
その他、事業上の有益な機能を果たしてくれる団体の
会費や組合費なども租税公課に含まれます。
しかしながら、
これら全部が必要経費として認められるわけではありません。
所得税や地方税は確定申告の結果で課税されるものですから、
事業上の経費とはなりません。
租税公課は経費に算入できるものと、
そうでないものがあるということです。
必要経費として扱われる租税公課は、
収入印紙、事業税、事業所税、
固定資産税、不動産所得税、地価税、自動車税、
自動車取得税、自動車重量税、
土地建物所有の登記などの際に課税される登録免許税、
同業者組合や協同組合、商工会などの組合費や会費です。
ただし、町内会費などは必要経費として認められません。
また所得税や住民税、相続税(延滞税を含む)や
不正をしたときなどの国税の加算税や地方税の加算税、
交通違反などによる罰金や過料、
すなわちペナルティ的要素の強いものも
必要経費としてみとめられません。
たとえば、
1.領収書に使用する収入印紙を前もって購入した。
売上金額が3万円以上の領収書などには、
収入印紙を貼らなくてはなりません。
領収書と印紙の扱いについては、
以前、説明した通りなのでここでは詳しく述べませんが、
そういった場合に備えて、前もって収入印紙を購入した場合は、
どうなるのでしょうか?
→ 購入した時点で経費(租税公課)として計上します。
2.商店会の今月分の会費を支払った。
→ 所属商店会の経常的な会費なので、
租税公課として計上します。
それでは国税や地方税の必要経費としての算入の時期は?
原則として具体的に納付することが確定した日
(申告した日または賦課の通知を受けた日)
に属する年の必要経費となります。
ただし固定資産税のように納期が分割されているものについては、
各納期の開始の日、または実際に納付した日に属する年
の必要経費に繰り入れてよいことになっています。
例えば、1月に前年度分の分割固定資産税を納めた場合、
その年の経費としてもよいわけです。