よく耳にする租税公課って経費?

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

誰でも一度は耳にしたことのある「租税公課」28
しかしわかっているようでわかっていないのが
租税公課ではないでしょうか?

租税とは、国や地方自治体に納める国税と地方税のことで、
公課とは、それ以外の公的な金銭負担のことです。
その他、事業上の有益な機能を果たしてくれる団体の
会費や組合費なども租税公課に含まれます。

しかしながら、
これら全部が必要経費として認められるわけではありません。
所得税や地方税は確定申告の結果で課税されるものですから、
事業上の経費とはなりません。

租税公課は経費に算入できるものと、
そうでないものがあるということです。

必要経費として扱われる租税公課は、
収入印紙、事業税、事業所税、
固定資産税、不動産所得税、地価税、自動車税、
自動車取得税、自動車重量税、
土地建物所有の登記などの際に課税される登録免許税、
同業者組合や協同組合、商工会などの組合費や会費です。
ただし、町内会費などは必要経費として認められません。

また所得税や住民税、相続税(延滞税を含む)や
不正をしたときなどの国税の加算税や地方税の加算税、
交通違反などによる罰金や過料、
すなわちペナルティ的要素の強いものも
必要経費としてみとめられません。

たとえば、
1.領収書に使用する収入印紙を前もって購入した。
売上金額が3万円以上の領収書などには、
収入印紙を貼らなくてはなりません。
領収書と印紙の扱いについては、
以前、説明した通りなのでここでは詳しく述べませんが、
そういった場合に備えて、前もって収入印紙を購入した場合は、
どうなるのでしょうか?
→ 購入した時点で経費(租税公課)として計上します。

2.商店会の今月分の会費を支払った。
→ 所属商店会の経常的な会費なので、
租税公課として計上します。

それでは国税や地方税の必要経費としての算入の時期は?
原則として具体的に納付することが確定した日
(申告した日または賦課の通知を受けた日)
に属する年の必要経費となります。

ただし固定資産税のように納期が分割されているものについては、
各納期の開始の日、または実際に納付した日に属する年
の必要経費に繰り入れてよいことになっています。

例えば、1月に前年度分の分割固定資産税を納めた場合、
その年の経費としてもよいわけです。

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消耗品費を費用に計上しよう

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

気になる「費用」のポイントが、27
だんだんとおわかりいただけたことと思います。
さて今回は「消耗品費」についてお話しします。

使用すればなくなっていくもの、
あるいはもともとの能力や効果が失われるものが消耗品で、
その購入費用が消耗品費です。
筆記用具や帳簿類、ファイルなどの事務用品がこれにあたります。

机や金庫のように長期間使用が可能なものでも、
取得価額が低い品物は、備品ではなく消耗品として扱います。
具体的には耐用年数(使用可能期間)が1年未満か、
取得価額が10万円未満のものが消耗品費となります。

パソコン2台で18万円などというように、
合計が10万円以上でも、
単価が10万円未満なら消耗品費として処理します。

ただし、応接セットのように、1組で1単位となるものは、
合計金額から消耗品費か固定資産かを判定します。

消耗品といっても、「購入後すぐ消滅」ではありません。
未使用の消耗品の扱いはどうなっているのでしょうか?

年末決算時の棚卸で未使用のものは消耗品費からマイナスし、
未使用分は貯蔵品(消耗品)として資産に計上するのが本来の処理です。
そして翌年以降、実際に消費した時に貯蔵品科目からマイナスさせ、
消耗品費が改めて発生するわけです。

しかし、その事業にとって重要性が乏しいもの、
毎年経常的に購入するようなものなら、
購入の時点で消耗品費として処理してかまいません。
つまり未使用のファイル1冊を貯蔵品扱いする必要はないわけです。

では備品と消耗品はどうちがうのでしょう?
企業によっては、「備品・消耗品費」と
一つの勘定科目で処理する場合もありますが
基本的に消耗品は、1年以内に消耗する物品
たとえばコピー用紙、文房具などです。
備品は、耐用年数が1年を超える物品
たとえば机、キャビネットなどの什器類というように考えてください。

備品のうち、耐用年数が1年を超え、
取得価額が10万円以上の物は固定資産となり、
減価償却の対象となります。

取得価額が10万円未満であれば、
耐用年数が1年を超える物品であっても、
減価償却の対象とはなりません。

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