著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治
気になる「費用」のうち、
今回は「旅費交通費」についてのポイントをみていきましょう。
商用のために外出する際には、交通機関を利用したり、
時には宿泊を伴う出張もあるかもしれません。
これらにかかった費用が「旅費交通費」です。
旅費交通費を分類すれば、旅費は遠距離の出張などにかかる費用、
交通費は近距離における移動にかかる費用と考えてください。
旅費には出張した従業員の日当も含まれます。
ただし、支給額が常識以上の場合は給与とみなされ、
源泉所得税などの問題がかかわってきますので注意してください。
旅費交通費を支給するには、
前もって適正な範囲での「旅費規定」をつくっておくことも必要です。
なお、事業主本人の出張においては、
実費だけが経費としての旅費であり、
日当は必要経費として認められません。
旅費交通費となる費用には、
電車、バス、タクシー、航空運賃のほか、
駐車料金、有料道路通行料、出張における宿泊費や日当、
赴任における旅費や支度金、もちろん通勤費も含まれます。
ここで注意していただきたいのは、
営業用の車などに使用するガソリン代です。
ガソリン代は消耗品となりますので気を付けてください。
たとえば、
1.営業に行き、電車を利用した。
→ 販売や集金など業務を行うためにかかった交通費は
当然、必要経費となります。
2.出張の旅費代としてあらかじめ現金を渡した。
→ 確定していない費用のために支出した金額は、
とりあえず「仮払金」とします。
この時点では、まだ旅費交通費には計上しません。
3.旅費として渡した「仮払金」を清算した。
→ 出張から帰った後、実際に要した費用を経費として計上します。
出費事項が多い場合は、「明細書」を付けることで一括して
出張費として記入しても構いません。
仮払金を利用した場合は、その清算も行います。
仮払金が不足したり反対に余った場合には、
改めて現金の出し入れが必要となります。
旅費交通費の明細書について
営業担当者のように頻繁に外出する人などは、
手間を省くために、旅費は出張ごとに一括清算、
交通費は1週間単位でまとめて請求する方式をとっても構いません。
ただし、そのためには、行き先、業務内容、経路、支払先、
金額についての明細を記した「明細書」を添えることが必要となります。
特に電車、バスなどの場合は、一般的に領収書は発行されませんし、
最近ではIC乗車カードなどを使用することが多いと思いますので、
明細書は証拠資料として重要な意味を持つものになってくる
ということを忘れないでください。