知っておきたい! 簿記の基本的なルール

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

そもそも簿記の目的とは、
日々の営業活動で行った財産の変動を継続的に記録すること、
決算日においての会社の財産状態を貸借対照表をつくって明らかにすること、
会計期間においての会社の経営成績を損益計算書をつくって明らかにすること、
主にこの3つと考えてよいでしょう。

「会計期間」とは、会社の財産状態や経営成績を
一定期間に区切って計算していくための期間のことで「事業年度」ともいいます。
会社の会計期間は、通常は事業年度の初日から末日(決算日)までです。
1年以内でも自由に設定することもできますが、1年間が一般的です。

簿記の基本は、
日々の取引を誰が見てもわかるような項目、すなわち「勘定科目」にまとめ、
それらを「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つのグループに分類し、
貸借対照表と損益計算書を作成することです。

「貸借対照表」とは、一時点における会社の財政状態を表したもので、
「資産」「負債」「純資産」で構成されています。

「資産」とは、
会社の経営に役立つ金銭や将来金銭などで受け取ることのできる権利(債権)のことで、
すなわちプラスの財産だと考えてください。
資産の主な勘定科目には、現金、当座預金、売掛金、貸付金などがあります。

「負債」とは、
将来金銭等を支払ったり、返済しなければならない義務(債権)をいい、
すなわちマイナスの財産だと考えてください。
負債の主な勘定科目には、支払手形、買掛金、預かり金、借入金などがあります。

「純資産」とは、
資産の総額(プラスの財産)から負債の総額(マイナスの財産)を差し引いた、
会社の正味財産を表すものです。
純資産の主な勘定科目は、資本金や繰越利益余剰金です。

「繰越利益余剰金」とは、設立から当期の決算日までに稼いだ利益で、
当期の利益および過年度の利益をたしたものになります。

「損益計算書」とは、一定期間における会社の経営成績を表したもので、
「収益」と「費用」により会社に利益が出ているか
あるいは損失が出ているかをみていくものです。

「収益」とは、会社の営業活動の結果、どれだけ儲けたかを表したもので、
収益の主な勘定科目は、売上高、受取利息、雑収入などがあります。

「費用」とは、売上をあげるために必要な経費や
会社を経営維持していくうえで必要な経費を表します。
主な勘定科目には、仕入高、給与手当、通信費や旅費交通費、地代家賃、
事務用品費、租税公課、雑損失などがあります。

もちろん会計ソフトを利用すれば、
難しい簿記の仕組みを知らなくても帳簿はつけられますが、
最低限の会計用語や基本の簿記のルールは知っておいたほうがよいと思います。

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