帳簿書類の記帳の流れを知ろう!

税理士江連祐治

著者:江連祐治税理士事務所 税理士 江連祐治

記帳の流れのポイントは大きくわけてつぎの3つになります。

ポイント1  日々の取引を記録すること。

通常、帳簿記入の手続きは、

「取引→仕訳→転記」の順序で行われます。

この仕訳を記入する帳簿書類を「仕訳伝票」といい、

これには「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」の3つがあります。

「入金伝票」には現金が入金されたときの動きを、

「出金伝票」には現金が出金されたときの動きを記入します。

現金の出入金以外のすべての動きは「振替伝票」に記入しますが、

「入金伝票」「出金伝票」を使わずに振替伝票のみで、

会社の取引のすべてを記録することもできます。

 

つぎに、

振替伝票に仕訳した金額を「総勘定元帳」に設けたいろいろな項目

すなわち「勘定科目」に転記します。

総勘定元帳は、勘定科目ごとの金額の増減を計算したり、

残高や集計を行ったり、試算表や決算書の数字の根拠となる

重要な帳簿であるため、「主要簿」と呼ばれています。

 

ポイント2  試算表をつくること。

総勘定元帳のすべての勘定科目について、集計した合計や残高を、

「試算表」と呼ばれる一覧表にまとめていきます。

(通常これは月1回くらいのペースで行えばよいでしょう。)

 

ポイント3  決算書を作ること。

試算表に決算整理を加えて、「貸借対照表」と「損益計算書」を完成させます。

 

以上が記帳の流れの基本となります。

もう一度、実際に記入する際の手順をおさらいすると次のようになります。

ます、取引を仕訳して振替伝票に記載します。

次に、振替伝票に記載した内容を総勘定元帳に転記します。

更に、1ヶ月間の総勘定元帳の動きを集計して、差引残高や合計を計算します。

そして集計した総勘定元帳の各勘定科目を残高試算表に転記します。

最後に、決算整理の処理後の試算表の数字から、

会社の財産を表す項目を貸借対照表に、

利益計算を表す項目を損益計算書に転記します。

 

いかがです?おわかりになりましたか?

これらを作成するためには、ある程度の簿記の知識があることが望ましいでしょう。

一つ一つの取引を振替伝票へ仕訳する転記の作業を繰り返して、

最終的に会社の経営の成績表ともいえる「貸借対照表」と「損益計算書」

(まとめて決算書といいます。)を手書きで作成するため、

かなり煩雑で事務量もたいへんな負担となります。

 

ですが、帳簿をつけていないときちんと申告できないばかりか、

会社の利益を計算することもできません。

逆に言えば、経営基盤がしっかりしていて業績のよい会社は、

帳簿もきちんとつけているということがいえると思います。

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